Michel Foucault「知の考古學」1969
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一覽表 (tableau、タブロー)
Tractatus
言表の稀少性
言說は、それが存在するための諸條件の集合を定めることが可能であるような、限られた數の言表から成るのである。
ある一つの時代において使用することのできる文法や語彙の財寶から出發して、結局、比較的わずかのことが語られるにすぎないということだ。
言說形成は、したがって、發達途上の全體性ではない。つまりそれは、自らに固有のダイナミズムもしくは独自の不活性を持ち、もはや自身が語っていないこと、いまだ自身が語っていないこと、もしくはただちに自身に矛盾することを、言述されざる一つの言說のなかで運ぶような、一つの全體性ではないということだ。それは、豐かで困難な芽生えではない。そうではなくて、それは、諸々の欠落、空虛、不在、限界、切り分けの配分なのである。
それは、反復され、再現され、變換される事物であり、それに對してあらかじめ設定された囘路があてがはれたり、制度の中での地位が與へられたりする事物であるといふこと。それは、コピーや飜譯によってのみならず、釋義や注釋や意味の內的增殖によってもまた二分化されるやうな事物であるといふこと。
plage (浜辺)
言表は誘惑する
美←悟性
數へられる理念
←→識藏。言はれずにおいた祕密が無限に有る、解釋
言表の外在性
←→發言者の專權
言表の累積
埃に埋もれ可視性を失った、しるし
この記述は、發言 (パロール) がいまだいかなる物質性にも卷き込まれておらず、いかなる存續にも委ねられていなかった契機へ、發言が開示の限定されざる次元の中に自らをとどめていた契機へと、立ち戾ろうなどとはしないということだ。この記述は、すでに語られたことのために、逆說的な第二の誕生の瞬閒を構成しようと試みたりはしない。この記述は、再び現れつつある曙光に訴へたりはしない。この記述は、逆に、言表の數々を、累積の厚みにおいて、つまり、それらがそこにとらえられているにもかかわらず、それらによって絕えず變更を加えられたり、脅かされたり、混亂させられたり、ときには破壞されたりするような累積の厚みにおいて扱ふのである。
←→發生への溯行、創設への囘歸
archive (アルシーヴ、藏)